2008年01月03日

恥づる 14:学生「hitorishizuka」

清掃員として大林と接触した柴崎は何食わぬ顔で研究室前の廊下の掃除を続けた。その日、大林は研究室にこもり自身の研究に没頭しているようだった。
朝の清掃の時間が終了し、柴崎がB棟から引き上げるころ学生たちがぞろぞろと登校し始めた。(おはようございますぐらいできないもんかね…)そんな説教めいたことを考えながら挨拶もろくにできない今時の学生たちとすれ違いながら清掃準備室に戻ってきた。
「おう、新入りちゃんと清掃できたか?」
芦沢がニヤニヤしながら聞いてきた。
「はい、なんとか…」
「そうか、学生の綺麗な姉ちゃんに目をやってばかりいて清掃になれねえかと思ったよ」
若い柴崎の好奇心をあおるかのようにからかい気味に話しかけてきた。
うるさい爺さんだな…なかばあきれ気味に聞いていたが、ふと、「hitorishizuka」の女学生のことを思い出した。彼女はここの学生として通学している。もちろん、柴崎とは面識がなく、柴崎自身も誰が「hitorishizuka」なのかは分かっていないのだ。
「すみません、この休憩中にちょっと出てきます」
柴崎は、おい、若い学生にうつつぬかすなよ!まだ仕事はあるんだぞ、そんな芦沢のからかいも半ばに準備室から足早に出て行った。
posted by 志波純一 at 22:59| Comment(0) | TrackBack(0) | hanged1 恥づる (14) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする