2008年01月07日

恥づる 15:大林のゼミ生

すでに大学の講義は始めっていたが、教室にも入らず講義室前の廊下や隅にたむろしながら談笑する学生たちもいる。この京帝大学は私学でありながら教育学部の地位は高く、優秀な成績でなければ入学できないほどのエリート大学である。当然、教師になるものもいるのだが、その多くは研究者への道を選ぶのだ。
おいおい、こんな優秀な学校の学生でもこんな程度の就学態度かよ、清掃員として着用している帽子の影から見える柴崎の目は呆れていた。そんな学生を横目に廊下を通り過ぎると再び大林の研究室棟に立っていた。奴はすでに違う教室で講義を始めていた。そのことは研究室棟の掲示板にある講義表から容易に読み取れた。
「彼女は大林の研究室の学生だ。やつのゼミの時間に参加する学生をチェックすれば、その行動や態度から『hitorishizuka』が誰かは分かるはずだ…」
柴崎は、大林のゼミの時間をチェックした。
「なるほど、明日の4校時か、時間は13:05からの90分ね…」
それだけを確認し、柴崎は再び清掃準備室に戻った。
「おい、新入り、初日から遅えぞ。早く準備しろ!」芦沢の怒号が響いてきた。
「はい、すみません」冴えない返事を返しながら、帽子を一層深く被り清掃の準備をした。
タグ:ゼミ
posted by 志波純一 at 18:23| Comment(0) | TrackBack(0) | hanged1 恥づる (15) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする