柴崎は薄暗いネットカフェの個室の中で思わず叫んだ。いつもより大き目の自身の声に驚きとっさに右手で口を押さえた。(やばいやばい,周りに聞こえちまう・・・)心の中でつぶやきながら一人で辺りを見渡す仕草をした。
柴崎はフォルダオプションにある「隠しフォルダ」のチェックをはずしたのだ。普段は見えないようにしているためか,この部分への大林のセキュリティーは非常に甘かった。フォルダ名には「花鳥風月」と付けられていた。ふざけた名前にしやがって、そう言いたげな顔つきで柴崎はフォルダ内をゆっくり開いた。
なんと,中には大林自身のゼミ生だけでなく,大学内の女子学生の個人データが入っていた。体重や身長といった身体のことから,その学生の成績や出席状況までがこと細かに入力されていた。呆れたことに女子学生のスナップも数枚ずつデータの中には入っていた。
「うーん,おかしいな・・・」
そんな個人情報がつまっているフォルダを開いても柴崎は顔色一つ変えず,フォルダ内を検索しつづけた。
「これは,やつのコレクションのほんの一部だ。もしかして・・・外付けのハードディスクか・・・」
柴崎は考え込みながら、いつものように眼鏡の中央を持ち上げた。
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