2008年02月04日

恥づる 25:現した本性

「お前さあ、何か勘違いしてないか?」
大林の口調が今までになく乱暴になった。そんな乱暴な言葉に永澤は一瞬肩をすくめた。
「今、自分の置かれている状況が分からないみたいだね」
前髪をかきあげながら、パソコンモニターを指差した。
「これ、お前の恥かしい写真だよ。俺のコーヒーを飲んでよーく眠ってくれていたからなあ…じっくり見せてもらったよ」
いやらしい含み笑いをしながら彼は一枚の写真を拡大した。そこには裸にされた里美が映し出された。
「僕を訴えてもかまわないけれど、僕が社会的制裁を受けると同時に君も一生恥ずかしい思いをして生きていくことになるけど、それでもいいかい?」
紳士的な物言いの中に脅迫めいた言葉をゆっくりと並べる大林の顔に笑顔はなかった。
「このことを他人に漏らした瞬間に君のこの恥ずかしい写真は世界中に流出するよ。もちろん、モザイクなんてかけないよ。君の素顔のまま流出させてもらうよ。ふふふ…」
永澤は背筋に冷たいものを感じた。一度唾を飲み込みながら震える声で大林に問い返した。
「それが、あなたの本性ですか?」
「そのとおり!」獲物を狙う爬虫類のような目つきで答えた大林の口元はかすかに笑っていた。
posted by 志波純一 at 22:24| Comment(0) | TrackBack(0) | hanged1 恥づる (25) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする