「はあぁ…こんな中にあるわけないな」
呆れた様子でぶつぶつと呟き、資料の数枚を手にとってみた。今日は清掃員が朝早くから出勤し、普段よりも細かい部分まで掃除をする日であった。まだ。大林以下ゼミ生の姿も一人も見えない。柴崎が探し物を見つけるには絶好の日だった。
しかし、ひとつ重大な問題が発生した。彼は以前、清掃しながら形どった粘土からこの研究室の鍵を作り、忍び込むことに成功していた。が、肝心の大林の個室は資料の散乱しているこの部屋の隣に位置し、その部屋はカードセンサー式のセキュリティーが効いていた。
「おやおや、参ったな。やっぱりあいつにとってのやばい証拠品はこの部屋に保管されているな…しっかりガードしてるねぇ。」
さて、どうするか、柴崎は個室のドアの前で腕組みしながら、しばし考え込んだ。
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